合同会社とは?株式会社との違いは設立費用です

近年、小規模な事業モデルの方を中心に、株式会社ではなく合同会社を設立するケースが増えてきています。
これは起業する方のあいだで、合同会社の持つメリットが浸透してきた結果と言えます。
それは、いろいろありますが、最も重要なのは、株式会社よりもコストが抑えられるということです。
この記事では、会社設立時に知っておくべき合同会社と株式会社の違いをご紹介します。

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桐敷匠

桐敷匠

公認会計士試験に一発合格。企業の税務・会計全般だけでなく、スタートアップ支援、上場支援に至るまで、企業の財務に関するあらゆるノウハウに精通し、顧客からの信頼を集めている。前職はIT技術者であり、応用情報技術者資格も保有。その経験を活かし、端的に本質をつかんだ分かりやすい解説に定評がある。

はじめに|最大のメリットは設立費用の節約

合同会社とは、比較的小規模な事業者向けに用意された、会社の一形態であり、株式会社と比較すると社内組織が簡素化されている事が特徴です。

実務上、合同会社と株式会社の違いのうち、特に重要なのは設立費用と信用力です。

簡潔に結論からお伝えすると、合同会社は株式会社と比べて信用力が低くなるものの、会社設立時の公的費用が安くなります。

開業後の運転資金や事業のリスクも考えると、起業時の費用はなるべく抑えたい所ですから、費用面を重視する場合には合同会社の設立も選択肢になります。

この記事では、会社設立時の代表的な公的費用について、合同会社と株式会社それぞれの具体的な金額をご紹介します。

なお、合同会社と株式会社の制度上の違いとして経営方針等の意思決定方法がよく挙げられますが、実務上、本質的な違いはなく、さほど気にする必要はありません。
この点については記事の後半でお伝えします。

1.会社設立時の公的費用

会社設立時の主な公的費用をまとめると、以下の通りです。

1.1.合同会社と株式会社のコストの比較

合同会社 株式会社
会社定款
印紙代
0円
※紙定款の場合は4万円
0円
※紙定款の場合は4万円
会社定款
公証人手数料
0円 5万円
会社登記に係る
登録免許税
資本金の0.7%
最低6万円
資本金の0.7%
最低15万円
その他
謄本交付料
印鑑証明料
数千円 数千円
合計 約6万円~ 約20万円

上記の表の通り、合同会社と株式会社では会社設立時の公的費用に3倍以上の差があり、合同会社は費用を抑えて設立できる事が分かります。

登録免許税に関しては会社設立時の資本金に応じて変動するため、注意が必要です。
登録免許税に関しての注意点とその対策を以下に記載します。

1.2.登録免許税を抑えるには

登録免許税は合同会社では最低6万円、株式会社では最低15万円とされていますが、
最初に多額の自己資金を出資する場合は資本金が大きくなり、登録免許税も高額になる可能性があります。
合同会社では資本金857万円、株式会社では資本金2,142万円を超える場合、登録免許税が最低金額に収まらなくなります。

会社への出資額が大きい場合の登録免許税の節税策として、出資額全額を資本金とせず一部を資本剰余金(株式会社では資本準備金)とする方法があります。
※資本剰余金(資本準備金)への組入限度額は、合同会社は制限なし、株式会社は半額まで。

設立時の登録免許税に限らず、法人税等でも資本金が税額に影響するため、事業開始後の節税対策としても資本剰余金への組入はおすすめです。

2.合同会社と株式会社の意思決定方法の違い

会社法制度上、一応、以下のような違いが定められてはいます。
株式会社では原則として1株につき1議決権が与えられ、重要な経営判断は株主総会での決議が求められます。
一方、合同会社では各会社の裁量が広く認められており、経営者自身の判断による意思決定も可能です。

ただし、制度はともかく実際問題としては、これらの違いは重要ではありません。
世の中の株式会社の大半は株主がそのまま経営者を務めるオーナー企業であり、経営上、株主総会決議が障害となるケースはそう多くなく、いわゆる一人会社などでは、株主総会の開催自体の省略が許容されるケースもあります。

従って、意思決定方法について、実務的には合同会社と株式会社の違いはほぼありません。

3.まとめ

合同会社は株式会社と比べると気軽に設立できる半面、信用力は少し落ちます。
このため、合同会社では大規模な資金調達は難しいかもしれませんが、筆者の肌感覚では数百万円規模の融資なら問題なく取ることができます。
取引相手の立場から見ても、大企業はともかく、中小企業は相手が合同会社かどうか気にしない事も多いです。

さらに、最初に合同会社で設立しても、後から株式会社へ組織変更することが可能です。
事業が軌道に乗り、事業拡大に向けて信用力を強化したい、となった場合に組織変更するケースは現実にあります。

会社設立に係る初期費用をなるべく抑えて、スモールスタートを切りたいという方には合同会社がおすすめです。

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