交際費とは!?経費にするためのポイントまとめ

交際費は、販売促進等、会社の営業にとって不可欠であり、経費となるべきものです。

しかし、交際費については、経費とできる金額が限られています。

そこで、今回は、交際費の経費となる部分、ならない部分などの交際費のルールについて説明します。

また、交際費は消費税とも密接に関わっています。

消費税の税抜経理、税込経理で損得が発生したり、税抜経理をしている法人において、業種によっては、消費税を交際費として計上しなければならない場面もあります。

そのため、交際費と消費税との関係や、税務調査で注意しなければならない事についてもお伝えします。

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相馬雅巨

相馬雅巨

日商簿記検定1級保有。得意分野は税務全般のほか、労務や資金繰りにまで及ぶ。また、担当する顧客も幅広く、外形標準課税の対象となる大企業から、中小企業や個人事業主に至るまで、どのような顧客のニーズにも対応できる企業財務のエキスパート。

1. 交際費とは

1.1. 交際費の経費計上出来る金額

交際費がなぜ問題となるかと言うと、損金計上できる範囲が限られているからです。

法人税法の規定により、年間800万円までしか損金算入する事ができません。
(資本金1億円以下の会社の場合)

さらに、法人税では独特の交際費の定義が置かれており、経営者本人は交際費を800万円以内に収めたと思っていても、実際には800万円を超過していて、一部が損金不算入となる事があります。

このため、法人税法における交際費の範囲、考え方を続いてご説明します。

なお、経理を消費税込みで行っているか(税込経理)、消費税抜きで行っているか(税抜経理)によって、800万円の上限が違ってきます。

この点については後程「2.交際費と消費税」にて説明します。

注意点として、事業年度の月数によって損金の額が変わります。

1事業年度が12ヶ月なら800万円ですが、事業年度6ヶ月だと、800万円×6月/12月=400万円が上限となります。

1.2. 交際費の範囲

交際費とは、以下の要件を満たすものを言います。

  • 相手方が得意先、仕入先
  • 目的が接待・供応・慰安・贈答等

これらの要件を満たさないものは、そもそも交際費ですらありません。

したがって、最低限、領収書を揃えておくのはもちろんのこと、相手方、なぜ支出したのか等の記録を残しておく必要があります。

交際費となるかどうかの判定は、誰に対して、どんな支出をするのか、を考える必要があります。
税務上の交際費は、一般に考えられているより範囲がかなり広くなっています。

  • 業務関連性が微妙
  • 金額が高くなりやすく、ごまかしやすい

上記2点を満たすものが交際費の範囲と思ってください。

1.2.1. 交際費の判断材料

税務当局の通達では、交際費に当たるかどうかの判断材料は次の3つになります。

  1. 相手先
  2. 目的
  3. 行為の性質

について、それぞれ事業と関係しているかどうかが判断材料となります。

これらをもとに、

  • 業務関連性が乏しい
  • 金額が高くなりやすく、ごまかしやすい

上記2つを満たすものが交際費と判断して差し支えありません。

また、交際費の範囲には、上記の接待行為等に付随して支出する費用(例えば接待場所へのタクシー代などの交通費など)も含まれます。

なぜなら、接待行為等がなければ発生しない費用や追加的に発生する費用であり、交際費と分ける事が出来ない費用と考えられているからです。

1.3. 交際費として扱わなくてよい例外

交際費の原則的な取り扱いは上記の2つの基準を満たすものとなっています。

交際費は、損金算入の限度額が決められているなど特別な取り扱いとなっており、損金算入の条件が厳しく制限されています。

ただし、その支出について、以下の条件を満たすものは、普通の経費として、損金算入して良い事になっています。(逆に言うと、これに当たらないものは交際費という事になります。)

  • 業務関連性がある
  • 金額が過大でなく、ごまかしのリスクが低い

以下に代表的なものを挙げていきます。

1.3.1. 得意先に対する一人当たり5,000円以下の飲食代

得意先などの社外との「一人当たり5,000円以下の飲食費」は、交際費等から除くことができます。(以下、5,000円基準)

業務関連性⇒取引先との飲食は、取引関係を円滑・良好に保つための社会的儀礼の範囲にとどまっているため、業務関連性があります。

金額の多寡・ごまかしのリスク⇒1人5,000円以下と少額のため、領収書等があればごまかしの余地は少ないです。

  1. 飲食年月日
  2. 得意先等参加者の名称・氏名とその関係
  3. 参加者数
  4. 飲食代金及び飲食料理店名、その住所
  5. その他飲食であることを明らかにするために必要な事項

上記1.~5.について、領収書等とともに、記録し、証憑書類として保管しておく事が要件となっています。

なお、「得意先」との「飲食のみの接待」が対象で飲食の場所、内容等は問いません。

得意先との旅行、観劇の途中での飲食代は、飲食のみの接待ではないため旅行費用等に含まれて、その全額が交際費となります。

注意事項として、専ら(ひたすら、ただただ)会社内の役員、従業員、その親族等を対象とした社内飲食費は1人5,000円以下でも会議費とならず、交際費となります。

  • 消費税の税抜経理、税込経理の、経理方法による5,000円基準の金額

選択する消費税の経理方法によって、金額の上限が違ってきますので、ご注意下さい。

消費税の税抜経理、税込経理の金額の上限については、以下の通りです。
税込経理より税抜経理の方が有利となっています。

1人5,000円の金額について、税抜経理であれば5,000円(税込5,500円)。税込経理であれば4,546円(税込5,000円)

この消費税の税抜経理、税込経理については、「2.交際費と消費税」のところに関わってきますので、そちらもご覧ください。

1.3.2. 会議に際して供与する飲食物

会議に関連して、飲料、菓子、弁当その他これらに類する飲食物は、交際費等でなく、会議費として処理する事ができます。

業務関連性⇒会議が長時間続く場合、飲食物を提供することは、会議を実りあるものにするためであり、社会的な常識の範囲内であるため、業務関連性があります。

金額の多寡・ごまかしのリスク⇒会議で支給する飲料、弁当などの代金は少額であるため、リスクは低く、金額も領収書等を保存することで確認可能です。

なお、社内会議・社員のみの会議、打ち合わせも含まれます。

金額の上限は決まっていませんが、社会一般に常識的な範囲の金額なら差し支えありません。

注意事項としては、社員に昼食を提供する場合はそれなりの理由が必要です。

例えば、遠方からの出席者があり時間的制約で昼食時にも会議を行う必要がある場合や、会議が長引き中断できない場合があります。

1.3.3. 専ら従業員の慰安のための旅行等

業務関連性⇒従業員の勤労意欲を引き出し、日頃の疲れをねぎらう目的であり、福利厚生の一環であることが明らかであるため、業務関連性があります。

金額の多寡・ごまかしのリスク⇒数日間で、交通機関、宿泊費、飲食等の費用が社会常識的な範囲であり、かつ、領収書等で明確に証明できるのであれば問題ありません。

なお、その行う目的が従業員のレクリエーションのためにだけということで、役員のみでは「専ら従業員のための」には当てはまりません。

福利厚生費として処理しますが、福利厚生費と認められる費用は、役員または従業員のおおむね全員を対象とする、社内行事に対するものであり、一人当たりの金額もおおむね社会一般に常識的な範囲の金額となります。

注意点として、社内の「特定の者」だけを対象とする慰労、懇親等の飲食、旅行等は、交際費にあたり、金額が多額の場合、明らかに個人的な費用の場合には給与となります。

1.3.4. カレンダー、手帳等の贈与

業務関連性⇒社内のPRになり、顧客や取引先との関係を良好にする効果があるため、業務関連性があります。

金額の多寡・ごまかしのリスク⇒金額は少額であり、領収書等で証明できるので、ごまかしのリスクは低いです。

なお、ノベルティグッズ(ボールペン、メモ帳、うちわ、カレンダーなど)で手軽に会社・商品・サービスの認知度を上げるという目的・効果が明らかなものです。
一般に広告宣伝費などで処理します。

1.3.5. 出版、放送の編集、取材

業務関連性⇒取材対象者から円滑に情報を提供してもらうために必要なため、業務関連性があります。

金額の多寡・ごまかしのリスク⇒シチュエーションに応じた常識的な支出であれば問題はないと思います。領収書、クレジットカードの履歴等で証明できるならば、ごまかしのリスクは低いです。

2. 交際費と消費税

交際費では、消費税の経理方法の違いによって損得が発生します。

また、税抜経理を行っている法人で、業種によっては消費税を交際費に含めなければならないことがあります。

上記のような交際費と消費税の関係をこれからみていきます。

2.1. 交際費と消費税の税抜経理、税込経理による損得

1.1交際費の経費計上出来る金額の範囲にて交際費の上限が800万円と説明しましたが、消費税の経理処理によって、その上限が違います。

税抜経理ですと、消費税抜きで800万円まで交際費を計上できますが、税込経理ですと、消費税込みで800万円までの計上となり、税抜経理の方が有利となっています。

2.2. 交際費に係る控除対象外消費税等の処理

税抜経理を行っている法人で、不動産業、医療関係事業、介護関係事業などの消費税の非課税売上が多い業種は、交際費800万円の実質的な上限が小さくなる可能性が高いです。

これはなぜかというと、消費税の計算制度上の理由によるもので、詳細は以下の通りです。

2.2.1. 不動産業、医療・介護関係事業等は交際費の実質的な上限が小さくなる

不動産業、医療・介護関係事業等は課税売上高割合が小さくなりやすいです。

課税売上割合が95%未満となりますと、控除対象外消費税額等が発生します。

控除対象外消費税額等の内、交際費に該当する部分は、交際費となります。

控除対象外消費税額等は以下の場合に発生します。

  • 課税売上割合が95%未満(課税売上割合とは、全体の売上に対して、消費税の課税部分の割合)
  • 預かった消費税-支払った消費税=消費税額だが、課税売上割合が95%未満だと控除しきれない消費税が発生
  • 不動産業、医療・介護関係事業など消費税の非課税売上が多い業種が比較的発生しやすい
  • 土地の売却などの突発的な消費税の非課税売上が発生したとき

控除対象外消費税額等は、消費税の計算方式によって計算方法が異なります。

法人税法上の損金算入限度額800万円などに近い交際費の金額が計上されているときなどは、決算時に交際費の控除対象外消費税額等を計上し、800万円の上限を超えてしまう可能性にご注意下さい。

3. まとめ

交際費は、うまく使えば顧客獲得や取引先の取引継続に繋がる必要な経費です。

しかしながら交際費には金額の上限や範囲があります。

形式的要件(相手先・目的・行為の性質)と併せて意識し、交際費として扱わなくてもよい費用もありますので、普通の費用として扱えるものは普通の費用として計上することで、節税に繋がります。

また、消費税の税抜経理に切り替えると、消費税分は計算に入れなくて良いなどの有利な点があります。

交際費をうまく経費とし、節税しながら企業活動を円滑に進めていきましょう。

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